記事紹介
「今、求められているISO審査とは?」
春は待っていても来ない
寒い日が続いている。経済は大寒だ。認証登録も寒々と冷え切っている。
環境も品質も新規登録が減っているが、一巡感はぬぐえず、仕方がないのかもしれない。しかし、登録の取り下げは景気が悪いからという単純な割り切り方で良いのであろうか? この認証システムは、法律でもなく、資金調達に影響があるわけでもなく、任意の制度だ。ただ、「毎年」、金がかかるし、システムを運営する担当者も必要であり、単純に経済合理性の判断が働いていると言える。景気が悪いと、不要不急な費用をまず削るが、一部の組織では認証費用もその延長線上にあるということだ。
打開策は一つしかない。システム運用のコストベネフィットを上げることである。賢明な多くの組織の皆さんはこれを必死に考えている。我々の認証機関に寄せられるお客様の代表的な声には、分母に当る「認証費用を安くして欲しい」というものと,分子に当る「厳しく審査をして欲しい。有効な審査をして欲しい。」というものがある。ただ、この二つでは後者の方が何十倍も多く聞く。
顧客である組織の中には、上手に活動を活性化させ、企業活動に根付かせ、組織としての求心力、あるいは広い意味での組織改善のツールとして運用されているところもあるし、あるいはそれを目指すことを意思表示し活動を模索しているところも最近はかなり目に付くようになってきている。こういう組織では好循環になり、多くのアウトプットが期待できるであろう。一方、システムの維持管理の域を出ない組織では、当然の帰結として管理工数削減、費用削減の圧力が高まり、運用方法を少し間違うと活動の停滞に繋がる危険性をはらんでいるように見える。今後の方向は前者にあることは明らかなように思う。
組織は、マネジメントシステムの規格を道具と捉え、組織にとってより有効になるよう、自由に使いこなすことが必要であろう。ただ、「認証」を維持する限り、規格には適合させなければならない。その運用実態を、認証機関は厳正適確に審査し、規格適合性を判断することになる。ある程度、経験を積んだ組織であれば、規格に適合させるためだけに,それほどのエネルギーは必要なく、むしろ有効活用に何倍もの勢力が必要になるであろう。
組織は常に変化している。認証機関は、変化する組織実態を適確に把握し、組織の動きを促す方向で審査をすべきだと考える。このために、組織とのコミュニケーションを強化する必要性を感じている。審査の場、あるいは準備段階で、組織の課題とか目指すべき方向性とかを議論できれば、少なくとも形式的と言われる審査からは離れることができよう。
認証機関は「認証サービス」を提供して対価を得ている。製造業ではコスト削減を厳しく要求されるのは日常であり、同時に品質向上や性能向上も要求される。認証機関も同じであり、徹底的な費用低減は勿論のこと、厳正適確で、有効な審査を実現するという原則は今後も変わらない。
春は待っていても来ない。行動あるのみ。現場は既に動いている。
センター長
西名秀芳
アイソス2009年2月号 巻頭
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